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倉敷から夢、発信「倉敷人」シリーズ28 武 才(Take Tae)

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溶け込む心の情景を描く銅板画の世界

作品写真

倉敷で銅版画作家として活動する武才さん。まるで夢や絵本の世界を覗いたような独特な表情をみせる彼女の作品は、吸い込まれてしまいそうな不思議な引力を感じさせる。高校では油絵を専攻していた武さんは「絵が好きなら、絵を描く人になればよい」と当時の先生に勧められたことをきっかけに、作家として生きる道を見出したそうだ。 「大学では油絵ではなく併願受験で合格した版画を専攻しました。油絵は手の動きで強弱を作ったり色を重ねたり自由に表現出来たのですが、腐食液で銅板を溶かして版を作る銅版画はやり直しがあまり効かず、周囲の温度や紙の状態によって思いがけない形になることも多いアートです。最初は苦戦しましたが内に秘めた力強さはどこか油絵と重なるところもあり、ゼロスタートならではの新鮮な気持ちでいろんな技法や表現に挑むことが出来ました」と武さんは語る。作品には世界・命へのメッセージなど、直接は誰かに伝えにくい自分の感情を込めるそうだ。心と向き合い整理しながら手がけるため暗いイメージから生まれることも多いが、作品の捉え方は人によって千差万別。明るく前向きな感想をもらえることもあるそうで、銅版画で出会えた感動を大切にしている。

絵本の挿絵のような風合いで物語が読みとれそうだ

  

2年に1度、個展に挑戦するなど活動の幅を広げており「今後はインテリア用として誰かの日常に寄り添えるような作品も一層手がけていきたい と意気込みを教えてくれた武さん。挑戦を忘れずに心と向き合うことで生まれる彼女の力強い作品は、これからも誰かの心の支えになるのだろうと感じた。

History

Je bent lief - wit -
  • 武 才
    (銅版画作家)
  • 高校時に油絵を専攻し、大学では併願受験で合格した版画を専攻。
  • 絵に負けない力強さを魅せる銅版画に興味をもち、2016年に岡山に帰郷し、阿知版画工房にて制作をはじめる。
  • 大学時代から10年、グループ展・個展など岡山・倉敷を中心に活動を続けている。

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