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父親が彫金師で、小さいころからモノづくりが好きだったと話す尾﨑さん。「３６５日、自分の好きだと感じた世界観を大切に生きたい」という想いのもと、趣味のジュエリー制作へ本格的に打ち込むために、２年前に県外から帰郷した。２０１５年から彫金師・ジュエリー作家として、指輪からカトラリーなど日用品まで様々な作品を手がけており、「一人ひとり身に着ける方の人柄やファッション、好きな色を聞いて、ジュエリーのイメージを膨らませます。金属の塊から完成へと近づけるため、伝統的な技法と新しい技術を組み合わせたり、創意工夫は尽きません」と笑顔で語る尾﨑さん。手作業ならではの丁寧な作りで、自分と相手が納得できる作品づくりを心がけている。

　　

そんな尾﨑さんが作品を手がける工房には金属加工を施す多種多様な道具が揃っているが、主な作業スペースは机一つ分。後ろには父親の作業机があり、親子背中あわせで制作に取り組んでいる。そんな彼の技量と作品が評価され、近年では地元クラフトイベントへ参加、ガラス作家や陶芸家とのコラボ作品を手がけ、９月には倉敷美観地区にオープンしたギャラリー&セレクトショップ「WHITE OWL」に常設作家として参加して、活動の幅を広げている。「まだまだはじまったばかり。地元の若い世代の作家たちとともに、自分たちと、見てくれる人それぞれが面白い、新しいと思える作品を生み出していきたい」と尾﨑さんは意気込みを語る。作家活動３年目とは思えない迷いのない言葉に、彼自身の秘めたポテンシャルを垣間見た気がした。

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