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倉敷から夢、発信「倉敷人」シリーズ21 石井りつこ

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植物の生命を再構成、草木染作家が紡ぐ命の宿った作品。

生花と間違えそうなほど繊細な作品たち

オーガニックハーブなどを染料に、ヘッドドレスやアクセサリーなどの布花作品を手がける草木染作家の石井りつこさん。自宅の庭のコーディネートを手がけるなど、もともと植物が好きだったという石井さんは「日ごとに姿カタチの変わりゆく植物たちを切り取ってイチから再構築したい と考えるようになり、8年ほど前から草木染めでの布花製作を始めたそうだ。草木染めは植物の葉や花、枝・根・実などから色素を抽出するので光にあたると少しずつ退色するが、重ねて染めることができるためその日の気分にあわせたり、季節の花木をもちいて染めるなど自由な作風でつくりあげることが出来るのが嬉しい。

工房

  

また、布花作品は大きさに反してとても軽く、どれも肌ざわりがやさしいものばかり。これは、息を吹きかけると飛んでいってしまうほどのわずか数ミリの小さな布の端切れを、まるでバラバラになった花びらをもう一度くっつけるようにして作品がつくられているからだ。根気のいる作業でヘッドドレスのような大作にもなると何日もかけて制作に取り組まなければならず、だからこそ石井さんならではの生花と間違われるほどの精巧で温もり溢れるやさしい作品たちが生み出されている。
最近では個展を開いたりギャラリーショップでの販売の機会もふえたそうで、「いつかはもっと大きく、ひとつの空間をまるごと使った作品づくりに挑戦したい と笑顔で語る石井さん。デザイン・アートの枠にとらわれず、好きなことを追求した彼女の作家としての芽は、まだ開花したばかりなのかもしれない。

History

water gate
  • 石井りつこ(草木染作家)
  • 兵庫県出身で倉敷市在住。
  • 自宅の庭のコーディネートを手がけたり、もともと植物好きだったことがきっかけとなり、草木染作家として活動をはじめる。
  • 自分で育てたオーガニックハーブなどを使った草木染めは色合いの濃さや植物のほのかな香りなど、どこをとってもこの世には2つとない唯一のものを生み出す。
  • 作品の素材は布でできているのでとても軽くて肌にやさしく、アンティークのリボンが添えられていたり、ちょっとしたこだわりも可愛らしい。

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