滋賀・信楽の地で育まれてきた信楽焼は、素朴で親しみやすい焼き物として知られています。信楽焼といえば愛らしいたぬきの置物を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、その本質的な魅力は、さらに奥深いところにあります。
土そのものの表情、炎が生み出す偶然の景色、そして不完全さの中に美を見出す感性――信楽焼のデザインには、日本人が古くから大切にしてきた美意識が息づいています。
今回は、信楽焼の特徴や魅力をデザインの視点からご紹介します。
信楽焼の大きな特徴のひとつが、土の風合いを生かしたデザインです。信楽の土には長石などの粒子が多く含まれており、焼き上げると表面に小さな白い粒が浮かび上がります。ざらりとした手触りや自然な凹凸が、器に豊かで味わい深い表情を生み出します。
土の個性を隠さず、そのまま器の魅力として見せる――そこに、信楽焼ならではの素朴で力強い美しさがあります。
さらに、窯の火が直接当たることで器の表面が赤く発色する「緋色(ひいろ)」も、信楽焼を象徴する表現です。白みを帯びた信楽の土に、ほのかな赤や赤褐色がにじむ姿は、どこか人肌のような温かみを感じさせます。火の強さ、薪の組み方、その日の湿度や風の具合までが影響し、同じ色合いは二度と生まれません。人の手だけでは制御できない変化を受け入れ、その偶然を美として楽しむ感覚は、まさに信楽焼の真髄と言えるでしょう。
写真:粗い土の粒子感をそのまま生かした表情豊かな土肌と、焼成によって生まれたあたたかな緋色が印象的
また、信楽焼の魅力を語るうえで欠かせないのが、炎と灰がもたらす自然の色彩です。薪窯で焼かれた器には、窯の中で燃えた灰が降り積もり、土に含まれる成分と溶け合って青緑色や黄緑色のガラス質へと変化します。これが「自然釉(ビードロ釉)」です。釉薬を人の手で塗るのではなく、炎の流れや灰の積もり方によって偶然生まれるため、同じ景色は二つとありません。
写真:薪窯で焼成する際に降り積もった灰が高温で溶け、器の表面に青緑色のガラス質となって現れる「ビードロ釉」
信楽焼には、完璧に整えられた美しさとは異なる魅力があります。少し歪んだ形、偶然に生まれた色むら、ざらりとした土肌――そうした不均一さの中にこそ、豊かさや温もりが感じられます。こうした趣は、日本の伝統的な美意識である「わびさび」にも通じるものがあるのかもしれません。華やかさではなく、静けさや余白、自然体の美しさを楽しむ心もまた、信楽焼の魅力のひとつと言えるでしょう。
写真:信楽焼の登り窯
近年では、伝統的な焼き締めや灰釉だけでなく、さまざまな色釉を用いた新しい表現も増えています。モダンなフォルム、鮮やかな色彩、洗練されたミニマルデザインなど、従来の“素朴な信楽焼”のイメージを超える作品も多く生まれています。それでも根底にあるのは、土の魅力を大切にし、自然とともに焼き上げるという精神です。
何気なく手にした器にも、土と炎、職人の手仕事、そして自然が生み出した唯一無二の表情が宿っています。形の面白さや色合いの深さに目を向けてみると、信楽焼の奥深い世界が見えてくることでしょう。
幅15 cm× 奥行13 cm× 高さ23cm
4,000円(税別・2026年5月19日 現在の価格)
親カエルと子ガエル5匹が楽しく歌をうたっているような、可愛い置物。
土そのものの質感が感じられるような、ざらりとした手触りです。
カエルは6匹揃って玄関に置くと、「お客さまをむかえる(六カエル)」と言って縁起がよく、他にも「無事にかえる」などの意味もあり。
お部屋、玄関、庭などに飾って癒されてください。
幅10.5 cm× 奥行10.5 cm× 高さ23cm
6,000円(税別・2026年5月19日 現在の価格)
和花・洋花のどちらにも合わせやすいオブジェのような花瓶。
野の花や葉ものだけでもオシャレに飾れて、花と過ごす時間がより楽しく、心和むものになるでしょう。
マットでざらりとした優しい手触りで、背伸びをしない日常向きの花瓶です。
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