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みつはたの「日本焼き物名産地巡り」第5回

美濃焼「日本最大の陶器生産地~多様性の中に宿る美濃焼の魅力~」歴史編

 

 

 

写真:昭和初期までの陶器問屋街の面影を残す本町オリベストリート(左)、陶芸体験をする観光客(右)

 

岐阜県東濃地方――多治見・土岐・瑞浪を中心に広がるこの地域は、日本最大の陶磁器産地として広く知られています。ここで作られる焼き物は総称して「美濃焼」と呼ばれ、その歴史は今からおよそ1500年前、5世紀頃にまでさかのぼります。
朝鮮半島から伝わった須恵器の技術とともに、ろくろや穴窯の製法が導入されたことで、この地でも本格的な陶器づくりが始まりました。

 

平安時代には、釉薬を施した「白瓷(しらし)」が登場し、東濃地方には100基を超える窯が稼働するなど、大きな活気を見せます。しかし12世紀以降、中国からの陶磁器輸入が増加すると、その需要は次第に減少していきました。

 

その後、鎌倉・室町時代にかけては、「山茶碗」や「灰釉」「古瀬戸」などが焼かれるようになり、焼き物の種類も次第に多様化していきます。室町時代後期(1500年頃)になると、単室の窯である「大窯(おおがま)」が導入され、灰釉や鉄釉を用いた焼き物が盛んに作られるようになりました。

 

そして、美濃焼が芸術の域へと飛躍する大きな転換点を迎えたのが、安土桃山時代です。武士や文化人の間で茶道が盛んになり、茶の湯にふさわしい美しい茶器が求められるようになりました。
この時代、織田信長の庇護のもと、千利休や古田織部といった茶人たちの指導を受けながら、美濃の陶工たちは技を磨き、「志野(しの)」「織部(おりべ)」「黄瀬戸(きぜと)」「瀬戸黒(せとぐろ)」といった、美濃焼を代表する名陶を次々に生み出しました。
なかでも「織部焼」は、古田織部の美意識を体現した独創的な器で、緑釉と幾何学模様を組み合わせた斬新なデザインが特徴です。黒織部、青織部、総織部といったさまざまなバリエーションがあり、見る者を惹きつけてやみません。
また、「灰釉」に長石(ちょうせき)を加えた釉薬で焼かれた「灰志野(はいしの)」、長石釉のみで作られた「志野」なども登場しました。これらの器は、茶人たちの美意識をそのまま形にした芸術品として、美濃焼の黄金期を築き上げたのです。

 

写真:志野酒呑(しのぐいのみ)(左)、織部角鉢(おりべかくばち)(右)

*出典:ColBase

 

写真:黄瀬戸草花文平鉢(きせとそうかもんひらばち)(左)、鼠志野鶺鴒文鉢(ねずみしのせきれいもんはち)(右)

*出典:ColBase

 

ところが江戸時代に入ると、茶の湯の世界は小堀遠州らによる「わび・さび」の美意識の影響を受け、より洗練された京都の楽焼や仁清焼へと人々の好みが移っていきます。

 

17世紀後半以降、美濃焼は芸術陶器から日常使いの器へと移行していきます。江戸時代末期には磁器の生産も始まり、透光性のある長石質磁器(坏土)がこの地で生み出されました。陶石を使わずとも、東濃の土を巧みに調合することで、まるで有田焼にも劣らない美しい白磁が実現されたのです。

 

明治時代に入ると、西洋の技術や顔料が導入され、手描きから銅版転写やスクリーン印刷といった量産技術が発展していきます。さらに、明治後期から大正時代にかけては電力の普及とともに機械化が進み、生産体制は一段と整備されていきました。

 

昭和時代になると、美濃焼はタイルや高級食器など多様な製品に対応するようになり、日本一の陶磁器産地としての地位をゆるぎないものにしました。

 

写真:現代の美濃焼

 

そして現代、美濃焼は15種類が伝統工芸品に指定され、その最大の魅力は、ひとつのスタイルにとらわれない「多様性」にあります。時代のニーズに応じて柔軟に変化しながらも、古来の美を受け継ぎ、今の暮らしにもなじむ器を生み出し続けています。

 

1300年の歴史を持ちながら、今なお進化し続ける焼き物――

それが、美濃焼なのです。

 

今回ご紹介する「美濃焼」のオススメ商品

ヒスイ マグカップ
直径9cm×高さ9.8cm 容量340cc(満水)
1,100円(税別・2025年8月27日 現在の価格)

 

名前の通り、青緑のような翡翠色が美しいマグカップ。
ハンドル部分も少し大きめに作られており、持ちやすくなっています。
手頃な価格と美しい色が人気です

 

淡墨桜 手付冷酒器揃
上絵付け、電子レンジ不可・土物
<酒器>幅20.5cm×奥行11cm×高さ11cm 容量 約300cc
<ぐい呑>直径5cm×高さ6.5cm 容量約80cc
30,000円(税別・2025年8月27日 現在の価格)

 

はんなりと華やかで上品な雰囲気の酒器セット。
手付酒器の三ツ足部分と取っ手部分を中心に
金彩が散りばめられています。
ぐい呑も細長型のため、待ちやすくなっています。
春のお花見シーズンだけでなく、暑い季節に
器を冷やして、冷酒を楽しむのにオススメ。

 

花唐草 大鉢
直径31cm ×高さ11cm
12,000円(税別・2025年8月27日 現在の価格)

 

長寿・繁栄・永遠の繋がりを象徴する吉祥文様。
盛り鉢としても、花器としても、そのまま飾っても
その場がパっと華やぐ美しい器です。

 

ものしり湯呑み

直径7.2cm × 高さ10.2cm 容量270cc

800円(税別・2025年8月27日 現在の価格)

 

とっても可愛いものしりシリーズ!!

湯呑みとしてはもちろん、ペン立てや箸立てにも。

食べもの、犬・猫・だるま・歴代総理大臣など

柄がたくさんあるので自分好みのものが見つかります!

外国の方へのお土産としても大人気!!

 

◆「食器のみつはた」について

「食器のみつはた」はJR倉敷駅の駅前商店街に店舗を構える老舗の食器専門店です。一般的な家庭用の器はもちろん、業務用食器、厨房用品、インテリアや雑貨など多くのメーカーや産地との取引から、食器専門店としてまた倉敷美観地区への旅のお土産品店として幅広い品揃えをしています。

 

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