九谷焼「豪華絢爛な彩りの世界~五彩の美、九谷の個性~」歴史編
九谷焼の起源は、江戸時代初期の1655年、現在の石川県加賀市山中温泉九谷町にあたる江沼郡九谷村で陶石が発見されたことにさかのぼります。これを受け、加賀支藩・大聖寺藩の初代藩主であり茶人としても知られる前田利治が、家臣・後藤才次郎を有田(現在の佐賀県)に派遣し陶技を習得させ、磁器の生産が始まりました。その為、地名にちなんで「九谷焼」と呼ばれるようになりました。
この初期に作られた作品は「古九谷(こくたに)」と呼ばれ、力強い色使いを特徴とします。日本の色絵磁器の中でも特に芸術的価値が高く、今日でも多くの愛好家に珍重されています。しかし、九谷窯はおよそ50年後に突如として閉鎖され、その理由は現在も不明となっています。
写真:典型的な爛熟期の古九谷様式の「色絵花卉文九角皿 九谷(いろえかきもんきゅうかくさら くたに)」
*出典:ColBase
古九谷の生産中止から約100年後の江戸時代後期、九谷焼の再興が図られました。加賀藩は文人画家であり陶工でもある青木木米(もくべい)を京都から招き、金沢に春日山窯を開きました。さらに文政7年(1824年)には、大聖寺の豪商・豊田伝右衛門が、古九谷窯の隣地に磁器の窯を築きました。彼の屋号にちなみ「吉田屋窯」と呼ばれたこの窯は、青手古九谷の復活を目指し、芸術性・技術ともに高い作品を生み出しました。これに続き、小野窯や宮本屋窯なども登場し、「再興九谷」と呼ばれる時代が始まりました。
写真左:再興九谷の中でも最も名高い吉田屋窯の「色絵椿柳宿禽図八角鉢(いろえつばきやなぎしゅっきんずはっかくはち)」 写真右:同じく吉田屋窯の「色絵露草図台鉢(いろえつゆくさずだいばち)」
*出典:ColBase
明治時代に入ると、九谷焼は国内市場にとどまらず、海外輸出にも力を注ぐようになります。特に、赤絵と金彩を施した精緻な装飾が特徴の「彩色金襴手(さいしょくきんらんで)」を確立した九谷庄三(くたに しょうざ)の活躍により、九谷焼は国際的な評価を高めました。1873年のウィーン万国博覧会への出品を機に、「ジャパンクタニ」の名で欧米に広まり、芸術的な日本磁器として世界に知られるようになります。
写真左:九谷焼赤絵の名手と言われた浅井一毫作の「色絵金襴手楼閣山水文大瓶(いろえきんらんでろうかくさんすいもんたいへい)」 写真右:近代九谷焼を牽引した竹内吟秋作の「色絵金襴手龍虎図大瓶(いろえきんらんでりゅうこずたいへい)」
*出典:ColBase
写真左:九谷焼の輸出とともに九谷焼の生産も行った綿野吉二作の「色絵楼閣山水文孔雀鈕大香炉(いろえろうかくさんすいもんくじゃくつまみだいこうろ)」 写真右:同じく綿野吉二作の「色絵紫陽花図大瓶(いろえあじさいずたいへい)」
*出典:ColBase
昭和後期から現代にかけては、従来の「工芸品」としての枠を超え、「美術品」としての価値が高まる時代に入りました。現在の九谷焼は、伝統的な「五彩」(緑・黄・紫・赤・紺青)を受け継ぎながら、現代的な感性やデザインと融合し、実用性と芸術性を兼ね備えた多彩な表現を展開しています。
その品質と美しさから、宮内庁の贈答品や英国チャールズ皇太子御成婚の献上品にも選ばれ、国内外の著名人にも広く愛されており、日本を代表する焼き物としての地位を確立しています。
今も進化を続ける九谷焼は、伝統と革新を融合させた日本の美意識を体現する焼き物として、世界中の人々を魅了し続けています。
横座招猫 5.5号 (陶幸窯)
縦10cm×横12cm×高さ17cm
20,000円(税別・2025年9月18日 現在の価格)
~ 吉祥をまとう、華やぎの招き猫 ~
・招き猫
「お金や幸福を呼び込む商売繁盛のシンボル」
・右 手
「右手を挙げているのは金運・財運を招く」
・ネズミを捕る
「家内安全の守り神」
・夜目がきく
「魔除け・厄除け・災いを退ける」
・富士山
「末広がりの八
語呂合わせで富士は「不死」「無事」なので健康長寿・無病息災・家内安全」
・松竹梅
松は厳しい環境でも育ち、冬になってもしっかり葉茂らせる「長寿」
竹は新芽がどんどん生えて真っすぐ伸びる「子孫繁栄」
梅は厳しい寒さに耐えてどの花よりも早く花を咲かせ春の訪れを告げる「喜び」
染入永楽 「組飯碗」 (上手長右衛門窯)
40,000円(税別・2025年9月18日 現在の価格)
(大)縦12.3cm×横12.3cm×高さ8cm
(小)縦10.3cm×横10.3cm×高さ7.6cm(高さはフタ込)
永楽「伝統画風 時代絵のひとつ」
永楽和全(19世紀に活躍した陶芸家)による京焼金襴手手法で赤で下塗りし、その上に金で彩色した豪華絢爛の中に京焼風な洗練された美しさを見せています。
特別な日の器としていかがですか?
マグカップ 「花タペストリー」 (銀舟窯)東 真理子 作
直径9.3㎝×(ハンドルまで)12.3㎝×高さ7.8㎝
6,000円(税別・2025年9月18日 現在の価格)
優しく淡い色使いで、繊細で華やかな絵柄の磁器製マグ。
中間色のキレイな手描きの絵がたまりません。
ツルンと滑らかな口触りで、飲み物の色もキレイに見えます。
▼「花タペストリー マグカップ」
ECサイトに記載商品
6.5号皿 「石畳」 伊野正峰 穂光 作
直径 約20㎝
10,000円(税別・2025年9月18日 現在の価格)
飾っても使ってもいい、九谷らしい紋様の皿。
石畳紋は、「永遠・繁栄・発展拡大」の意味があり 縁起がよいとされています。
また、鳳凰と組み合わせて描かれ、さらに縁起のよさを強調しています。
贈り物としてもオススメです。
食器のみつはた最新情報は、下記のサイトにて発信中です
食器のみつはた
086-425-5511
営業時間:午前10時~午後6時