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子どもの思いをくみ取って納得しやすい声掛けをする  〜笹沖保育園・倉敷市の私立保育園

日々の生活のなかで、子どもの心は常に成長を続けています。親の何気ない言動が子どもの心に思わぬ影響を及ぼすことも。 「こんなとき、子どもにどう接すれば…?」そんなパパ&ママのお悩みに、保育園の先生におこたえいただきます!

 

商業施設のキッズスペースで、共有の遊具でうちの子が遊んでいると、ほかの子に「貸~し~て」と言われました。うちの子も遊び始めたばかりなのに。すぐに交代してあげるべきですか?

 

子どもの思いをくみ取って 納得しやすい声掛けをする

 

ドンブラっこ編集部(以下編集部) これは、読者の方からもよくお聞きしますね。無理やり奪い取るのではなく、きちんと「貸して」と声を掛けてくれているのに、断ってもいいのか、という…。保育園では、そんなとき、どう対処されるのですか?

 

大西園長先生(以下大西) 大切なのは、それぞれの子どもが納得することだと考えています。あとから来た子に、「〇〇ちゃんが使い始めたばかりだから、あと10数えるまで待ってね」「あと一周するまで待とうね」などと声掛けをします。すると、本当に使いたい子は待ちますし、そうでもないならほかの遊びにいきますよ。先に遊んでいた子も、自分の遊ぶ時間は確保されるので、納得しやすいと思います。

編集部 親の立場だと、トラブルを避けたくて、つい自分の子に「変わってあげなさい」と言ってしまいそうです。

 

大西 そうですね。でも、そうすると子どもには「お母さん(お父さん)がわかってくれなかった…」という思いが残ります。「やっと自分が遊べる番だったのに」と。まだうまく言葉を発することができない子どもでも、思いに共感し、代弁してあげることが大切ですね。逆の立場で、順番を待てずに泣いたり怒ったりしてしまう子どもにも、「貸してほしかったんだね。あのおもちゃで遊びたいんだね」と、まずは思いをくみ取ってあげる。そのうえで、「でも、お友だちが使い始めたばかりだから、〇〇まで待とうね」と話します。子どもは、自分の思いが通じることで安心しますし、その積み重ねで成長し、いずれ子どもたちだけで解決できるようになります。

 

「子どもも保護者も職員も共に育つ保育園」を理念に

 

編集部 笹沖保育園の特徴や、取り組みを教えてください。

 

大西 当園は、平成26年10月に開園し今年で4年目を迎える保育園です。地域との交流を深めていくうえでも、小学校との給食交流や、中・高・大学生のボランティアなどを積極的に受け入れ、子どもたちに、人との出会いの場をつくっています。また、成功・失敗を含めて多くの体験をすることを重視しており、おやつを数えて取り分けたり、文字カードを見ながらお手紙ごっこをしたり。「あそび」を通して数量・図形・文字などへの興味を深めています。

編集部 大切にしていることを教えてください。

 

大西 乳幼児期には、子どもの心が落ち着く物的・人的環境を確保することを大切にしています。「〇〇してはだめだよ」と言われてばかりなのと、「〇〇はどうなっているのかな? 興味があるんだね」という眼差しや声掛けがあるのとでは、子どもの興味や関心の育ちに違いが出ます。そういう面からも、保育士は子どもの人格形成上、大きな影響を与える存在ですが、日々、園児たちから学ぶことも多いですね。今後も、子どもたちの健やかな成長を願い、保護者と手を取り助け合っていきたいと考えています。

 

 

ドンブラっこ2017年冬号 より転載

 

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