くらしききねんびょういん

倉敷紀念病院


心不全手帳が発行されました

この度倉敷地域心不全連携の会より新しく心不全手帳が発行されました。

今回はこの手帳についてご紹介いたします。

 

この手帳が作成された背景としましては心不全患者の現状と今後予想される動向を考えたとき、地域全体の高齢化に伴って現在も心不全患者の高齢化が進んでおり今後さらに増加していくことが容易に想像されることが挙げられます。

 

特に高齢者の場合は急性期病院で必要な専門的心不全治療が終わり、病状が安定された場合でも引き続き入院治療が必要な時は療養病棟、回復期リハビリ病棟などを有する病院へ転院となります。その後再び病状が不安定になったり悪化がみられるようであれば再び急性期病院での治療を受けることになります。

 

このように心不全診療はもはや単一の病院だけでおさめることは出来なくなってきており、そのような変化に対応していくために多職種および地域全体で包括的に心不全を診療するシステムを構築すること、さらに職種間、退院後の診療体制の連携をより良いものにすることが必要と考えられました。

その手段のひとつとして今回この心不全手帳が作成されました。

 

この心不全手帳は

 

①患者と医療者の連携向上

②医療者同士の連携向上

③患者の病識向上

④医療者の意識向上

 

の4つを主な目的としております。また特徴としましては

 

①多職種間だけでなく地域連携の要素をふまえての作成と運用

②多施設合同での作成(手帳の作成段階から多施設多職種の先生方に関わっていただいております)

③入院中にも使用でき、入院中経過も把握できる

④高齢者や認知症を有する患者も考慮した内容

⑤心理面の要素も反映(臨床心理士にも作成に介入いただいています)

 

以上の5つがあげられます。

 

今後はこの心不全手帳を活用し多施設多職種と協力しながら地域と連携した心不全加療のモデルをここ倉敷から発信できることを目指していければと考えております。

心不全についてのわかりやすい解説もついておりますので気軽に受付までお問い合わせください。

 

(倉敷地域心不全連携の会 参加施設(五十音順)・笠岡市民病院・笠岡第一病院・倉敷市立児島市民病院・倉敷紀念病院・倉敷中央病院・重井医学研究所附属病院・しげい病院・水島協同病院)

 

 

循環器内科 吉田 潤史(よしだじゅんじ)

平成13年 香川医科大学卒

医学博士

日本循環器学会循環器専門医 


レーシックの「ホントの話」


Q

 若い頃から強い近視ですが、最近いっそう度が進んできました。レーシックという近視の手術の宣伝をよく見かけますが、安全性など問題はないでしょうか。(五十歳・女性)


A

 目には茶目の表面の「角膜」と、より内部にある「水晶体」という二つのレンズが備わっており、一つ目の「角膜」をレーザーで削って近視を弱くするのがレーシックという手術の原理です。

 平成二十年から二十一年にかけて、東京の銀座眼科でレーシックを受けた患者が大量に感染するという事件があり、厚生労働省が通達を出す事態になりました。以来日本のレーシック件数は激減したのですが、これは医師が手術に不可欠な器具の洗浄、消毒などを怠ったためであり、レーシックの安全性とは関係がありません。レーシックの問題点は、もっと別のところにあります。

 まずは手術直後から発生する問題点として、ハロー(光の輪が見える)、グレア(光が眩しく見える)、ドライアイが挙げられます。ハローとグレアは二、三ヶ月程度で気にならない程度になることが多いとされていますが、元々強い近視だった場合などでは一年以上続く場合もあり、特に夜間の車の運転が困難になることがあります。ドライアイは半年から一年で回復するといわれていますが、中には数年経っても元に戻らない人もいます。

 さらに長い目で見た場合、白内障と緑内障に関する問題があります。白内障手術の際、挿入する眼内レンズの度数を決めるための計算は、主に眼軸長(目の長さ)と角膜の屈折力を用いて行われます。しかし、レーシックを受けた角膜は通常とは形状が異なるため、計算とはかけ離れた度数になってしまい、強いメガネや再手術が必要になる可能性があります。また、緑内障の診断、治療には正確な眼圧測定が欠かせませんが、レーシックを受けると角膜が通常より薄くなるため、眼圧が実際より低く測定されてしまいます。

 この他にも細かい問題点は多く、軽い気持ちで手術を受けると一生後悔することになりかねません。

 相談者の場合、五十歳という年齢で強い近視、さらに度が進んでいることから、白内障が進行している可能性があります。レーシックよりも白内障手術がよりよい解決法かもしれません。

 レーシック専門施設を訪れる前に、信頼できる一般の眼科で「自分はレーシックを受けても大丈夫か」を確認することが肝心です。

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ドクタートーク2015立古(りゅうこ)Dr.

 

Q

最近、膝が痛くて歩くのがつらい状態が続いています。

 

同じような症状の知人は痛み止めをのんでいますが、私はきつい薬はつかいたくありません。どうすればよいでしょうか。

 

 A

 

 質問者さまの膝がどのような状態か、これだけではわかりませんが、アレルギーなど薬の使用が好ましくない体質や病歴がないのであれば、痛み止めを試されてもよいかと考えます。

 

消炎鎮痛薬(痛み止め)は痛みをとる薬であって根本的な痛みの原因を治療するものではありません。また、消炎鎮痛薬を使用しても完全に痛みが無くならないこともあります。

 

でも消炎鎮痛薬を使用することでそれで痛みが和らいで日常の生活が快適に送れるようになる、あるいは活動性が上がるのであればそれはそれで良いことだと私は考えます。

 

 消炎鎮痛薬には色々な種類があります。内服薬(飲み薬)が不安であるなら湿布や塗り薬などの外用薬もありますので、そういったものから試されてはいかがでしょうか。内服薬でも薬の種類によって鎮痛効果は様々です。

 

使用した薬剤の効果が不十分で効かない、というのであれば別の薬剤に変更していただくのも良いと考えます。消炎鎮痛薬に限らず薬剤には使用していい上限の量が決まっています。よく効いたからといって沢山内服したり、通常の用量では効果が不十分だからと多くの量を使うのはしてはいけません。そのようなことをすると副作用が出やすくなります。特に腎臓の機能に障害のある方は他の薬と同様に主治医と内服量を相談して下さい。

 

 

薬が効いた、効かなかったというのは大きな情報です。消炎鎮痛薬が効かない痛みだったり、消炎鎮痛薬を内服しないと日常生活に支障があるような痛みが続くようなら整形外科を受診することをお勧めします。

 

 

 

中島地区小地域ケア会議(事務局・倉敷西高齢者支援センター)で、

中島地区周辺資源マップを作成しました。

 

http://www.seiwakai-net.or.jp/news/2015/nakashimamap/pdf/map.pdf

 

中島地区の福祉活動を行っている団体組織の方々と、倉敷西高齢者支援センターが定期的に高齢者の方の課題について話を行う中で、中島で高齢者の方が必要とされている資源をわかりやすく一覧にしてみようと取り組んで参りました。

 

高齢者の方が生活をする中で参考になればと思います。

ぜひ、ご活用ください。

 

■ お問い合わせ

倉敷市倉敷西高齢者支援センター TEL:086-466-3156

  • お知らせ

倉敷紀念病院コラム

質問

高血圧と言われ、家でも血圧を測るように言われました。病院で測った血圧は高かったのですが、家で測ると随分低くなっていました。どちらが正しい血圧なのでしょうか?また、血圧がどのくらいまで下がれば、高血圧が治ったといえるのでしょうか?

 

回答

病院で測る血圧(診察室血圧)は家で測る血圧(家庭血圧)より高いのが一般的です。家庭血圧が正常にもかかわらず診察室血圧が高い方は「白衣高血圧」と呼ばれます。白衣高血圧の有害性はよく分かっていませんが、逆に診察室血圧が高くないのに家庭血圧が高い場合は「仮面高血圧」と呼ばれ、脳卒中や心筋梗塞などを起こしやすいことが分かっています。

高血圧治療の目標は脳卒中や心筋梗塞などを起こさないことであり、診断や治療は高血圧の治療指針(高血圧治療ガイドライン2014)に沿って行われます。

高血圧の診断の目安は、合併症のない成人で診察室血圧>140/90mmHg、家庭血圧>135/85mmHg24時間自由行動下血圧>130/80mmHgです。

また、「治る

にはどこまで血圧を下げるべきか?とのご質問ですが、高血圧治療では「目標とする値(降圧目標値)」以下に血圧を保ち続けることが大切です。その降圧目標値は、原則として診察室血圧<140/90(家庭血圧<135/85)mmHg未満ですが、糖尿病・腎障害のある方では<130/80(<125/75mmHg未満と厳しく、脳卒中や心筋梗塞後の方では<140/90(<135/85mmHg未満の原則通り、また75歳以上の高齢者では<150/90(<145/85mmHg未満と緩められています。食事療法、運動療法や薬の服用によって、この目標値まで血圧が下がり、その状態を長く続けることができた方の中には薬を中止できる方もいますが、通常は血圧が低い状態を保つために薬の継続が必要となります。いったん薬をやめることができても、再び血圧が高くなって薬を再開せざる得なくなる場合が多いのが実情です。すなわち、高血圧を完全に治すことは難しいのですが、治療によって血圧が低い状態を保ち続けることができれば、それは「治る」ことに近いと考えて良いでしょう。

 

 

プロフィール

 

小出尚志(こいでひさし)

理事長 病院長

昭和54年 大阪医科大学卒

医学博士

日本内科学会認定内科医

日本内科学会総合内科専門医

日本循環器病学会認定循環器専門医

日本医師会認定 産業医